3Dプリントされた金属材料の疲労挙動
['植松 美彦']
/
材料
/ Vol. 74
/ No. 10
P. Q.
2025-10-23
積層造形品の採用を考えている人には一読して欲しい
4 / 5
製造プロセスに起因して、積層造形品には造形欠陥(空孔状の欠陥)が含まれる。その結果、繰り返し荷重が作用するパーツに積層造形品を採用すると、その欠陥からき裂が進展して破壊する恐れがある。つまり、造形欠陥のない材料で制作した場合に比べて、積層造形品の疲労強度は大きく低下する。このことが本解説記事にはわかりやすく記載されている。また、積層造形で複雑な形状を作製した場合や、積層造形でない材料の上に積層造形した場合の注意点も記載されている。
積層造形品では、ヤング率や引張強度などの静的な特性は一般的な製造方法で作製した材料と大きく変わらない場合であっても、本解説に記載されているように疲労強度が大きく低下するので、実機に採用する場合にはかなりの注意が必要。このような事実を実験結果を添えて具体的に示してくれる、ありがたい解説。